EverQuest II: The Bloodline Chronicles 第1話「異常な夢」
投稿日時: 2005-3-5 5:19

EverQuest II: The Bloodline Chronicles
第1話「異常な夢」
彼はそっと彼女の額をなでた。「愛しい娘よ、今朝の気分はどうだい?」
エリナはまゆにしわを寄せ、毛布の下で体を震わせた。弱々しく話す。「お父様、とても寒いわ」
「驚かなくていい。」と父は言った。
「窓が開けたままになっている」。テレクは窓に近寄り、カーテンを下ろした。昨夜、鍵を閉めたことは確信していた。
「お父様、また同じ夢よ。影がやってきて、わたしに囁くの。ひどく怖い、おそろしいこと」。彼女は震えながら、まぶたを閉じた。
父は元気づけるようにつぶやく。「エリナ、もうお休み。すぐによくなる。1ヶ月後には結婚式だろう。君の青年は、それを延期なんてしたくないはずだよ。」
「影・・・」と彼女はつぶやく。「囁き・・・。」
テレクは娘が浅い眠りから覚めるごとに顔をしかめた。娘が病気になって以来、まったく回復の兆しはない。
静かに娘の部屋を後にすると、妻が朝食の用意をしているキッチンへと向かった。彼が近づくのに気づくと、妻は振り返った。
「少しはよくなった?」、彼女はたずねる。
「いいや」とやんわり答えた。
「医者を探したほうが良さそうだ。朝食の後、医者を見つけるか、娘を助ける薬を買いにいくつもりだ。」
「効き目はないだろうが、」という。「フリーポートの周りの人間も皆、同じ病だ。医者も錬金術師も、この病気を治療できない。昨日、港で船長が言っていたが、この苦悩はケイノスにまで及んでいるそうだ。治療法などないのだよ、アッターラ」
妻は夫を厳粛に見つめた。「真実を話して、テレク。何人がこの病気で死んだの?」
彼は頭を横に振った。「本当にわからないのだよ。死者が見つかったことさえ知らなかった。だが・・・」
「"だが・・・"、なに?話して。」
「病人の何人かは消えてしまったのだ。道を下ったところのジョルラスは先週この病に倒れた。だが、ある朝、彼はいなくなってしまった。噂によれば、彼はネクテュロスの森で見かけられたそうだ。しかし、あの暗い森では、誰もそれが彼であると信じることはできない。」
二人を飛び上がらせるほどの激しいノックの音が響く。テレクは気を落ち着かせ、ドアまで歩いた。
ドアを開け、そこに青年が立っているのを見て、微笑む。「入りなさい、エイジス」
青年は心配そうだ。「彼女の具合はどうですか?」
「変わりない。」と、テレクは言った。アッターラはすすり泣いた。
「彼女に逢わなければならないんだ。」、エイジスはいう。テレクはうなづき、上の階へ彼を案内した。
娘は毛布の下で寝返りをうっていた。窓がまた開いて見るのを見て、テレクは顔をしかめる。窓を閉めるために歩き出す。と、窓際に置かれたテーブルのそばに、何か小さく、金属的なものを見つけた。
エイジスはエリナの手を握りしめる。「やあ、僕の愛しい人。気分はどう?」
「寒いわ。」とエリナはつぶやく。「辺り一面に・・・影が・・・囁くの・・・。」
「今日は、以前より具合が悪い。」、エイジスは悲しげにいった。「僕は彼女を失うことなんてできない、できない、」
テレクはベッドの側に立ち、「エイジス」と言った。そして手を伸ばし、「君は娘にこれをあげたのかい?」とたずねた。
青年は、テレクが持っていた指輪を取り、よく調べた。「いえ」と彼は答える。「一度も見たことがない指輪です。」といい、テレクにそれを渡した。
テレクは寝台のろうそくに火をつけ、指輪をじっと見つめる。その指輪は氷のような冷たさだった。指輪の内側には、1つのワードが刻まれている。
「D'Morte、」と声に出していう。すると、娘は少し苦しんだ。テレクとエイジスは、互いに視線を交わし、娘を見た。
「影が、」、彼女は息をもらしている。「私を迎えに来ているわ、私たちを皆、迎えに来ているの。」
(第2話につづく)
記事: EverQuest II: The Bloodline Chronicles - CHAPTER I: FEVERED DREAMS
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勝手にまとめると・・・。
- D'Morte Ringをよく調べる(Examine)と、The Bloodline Chroniclesのお話が始まるところの背景ストーリー。
妻アッターラ「娘の治療法はないの?話して、テレク」
管理人「治療法がアッターラ、話してますよ、奥さん。ガハハハ」